長い沈黙の中




何であんなこと言ったんだろう…




私はたえきれず帰ろうとした
すると先輩はゆっくり口を開いた





「忘れる必要はないんじゃない?」


胸に突き刺さった……


「その様子じゃあ、バスケ嫌いになった訳じゃなさそうだな」

「……」


「好きなんだろ?バスケ」


「……」

「俺がつらい思いさせねぇから」




涙が出そうだった
けど、泣きたくない

「はぁ~」

私は両手で自分の顔を覆い深くため息をついた


「ホントですか?今言ったこと」
「うん」



私は先輩の目を見た
まっすぐな瞳……


確かめてみよう!
自分の気持ち……




「分かりました!入部します!男子バスケット部マネージャーとして!!」


先輩はニコッと笑って


『うっしゃー!!』

と叫んだ



辺りは薄暗くなってきていたが、向こう側に見える夕日が私達を赤く染めていた