「ハルのお母さん…会ったそうですね」
「……ああ」
「傷つきました？」
「はぁ？何で??傷ついたのはハルの方だろ??」
「……それを聞いて安心しました」
「ハル……泣いてた」
「……あの子は自分が傷付いたから泣いてんじゃないんですよ」
「……」
「前にも似たようなことあって、そのときハル『私のせいでみんなが傷付く必要ない…傷付くのは私１人で十分よ』って……傷付くことに慣れてしまってるから」
「傷付くことに慣れる奴なんていねぇよ……強がってるだけだ!!!」
夏目先輩の声のトーンが低くなっているのに気づいた。
「これからもどうかハルの側にいて下さい……夏目先輩」
「言われなくても…」
そう言って夏目先輩は階段を降りていった。
あの瞳は信じられる…
これから何が起こるか分からないけど、どうかあの子だけは見捨てたりしないで下さい……どうか…
