「おーい、真理矢ぁ!!」


聞きなれた声に振り返ると、悪友が自転車こぎながらこっちに向かってきていた。


「よぉ、なんかすっきり……しとらんなぁ、おまえ」


オレの顔を見るなり隼人はそう言った。


すっきりなんかできるかよっ!!


別れ間際にワコちゃんが言ったことが気になって気になって気になって気になって。



結局ろくに寝てないという。



「なんでまたそんな顔しとるん?」

「告ったから」

「は?」

「ワコちゃんにオレ、告ったの。結果は分かってたけど。でもすっきりしないのはそっちじゃなくて。ワコちゃんがオレに最後言ったことなんだよね」


彼女は言った。


「私……なにしてるって言ったんだろう?」


オレの呟きに隼人は「ああ」と納得したような声を上げた。