天使様もオレもクラスの後片付けは率先してやっていた。

天使様にごみの片付けとか似合わないんだけど。
それでも何かしたそうな顔をしていたから、クラスの女の子たちと相談してオレと天使様でクラスのゴミを校庭まで持っていくことにした。


二人して段ボールとか、木材とかをがっつり持って校庭へ行くと、そこには学実委のワコちゃんがいて、ファイアーストームの火の管理をしていた。


「テンシン君!!」


「ワコさん!!」


オレと天使様の両腕のゴミを見て、ワコちゃんは小さく笑った。

そうだった。
オレ、ワコちゃんに言ってなかったっけね。


「歌、よかったですよ!」



ほんとはさ、もっと気のきいたことが言いたかったけど。
それしか言えなかった。

でも、それでも彼女は笑って『ありがと』と言ってくれたから。
きっとオレの気持ちは届いているんだと思う。



背後で大きな音がして、オレは思わず振り返った。



うっすらと藍色に染まり始めた空に。

色取り取りの光の花が散る。



「花火?」

「毎年恒例なの。でも寄付金集めるの、結構大変なんだよ」

「……すごいな」


なんか、演出がすごすぎないか?



あ、金持ち学校ってのすっかり忘れてた。