静まり返っている始業式の最中に、オレは確かに誰かの声を聞いた。



なんだろう?


背中がムズムズと痒くて。

少し、気分が悪い。



「あ……れ?」



気がついたときにはすでにオレの体は床へと態勢を崩し。



「おいっ!!」



オレの変化に驚いたような顔の天使様がすぐにオレを抱きとめる。



「大丈夫ですか?」


理事長先生の声が聞こえる。


「すみません、貧血みたいです」


代わりに天使様がお答えになる。




遠くなる耳にまたあの声が聞こえる。




『ようこそ』



と、たった一言――