「口塞いでやろうか?」


ずぃっと顔を近づけてくる天使様にオレ、一瞬ひるみました。


ちょちょちょちょちょちょっ!!


それ、どっちの意味でいってます?


「はーい、ストップねぇ。お楽しみは後々までとっておいて、二人になったらにしてね~」


とはガブリエル様。


やっぱりそっちの意味ですか?



「じゃ、行きますか? 有名な二人のデュオ。折角来たのですから、見ないと損ですよね~♪」


ニコニコニコニコ。

ガブリエル様はそう言って天使様を見た。


天使様は相変わらずフンッと鼻を鳴らし、そっぽを向いたままだ。


「ミカちゃんも憎い演出してるくせに。もうちょっと素直になりなさいよー」

「憎い演出?」

「ふふ。ミカちゃん、さりげなーく力使ってワコちゃんの乱れた髪やドレスの汚れ、キレイに元に戻してあげてるんだよね~」


そう言ってガブリエル様がクスクス笑う。

天使様を見ると……ちょっと顔赤くなっちゃいませんか?


「照れてるんやな、ミハイル」


ポツリと隼人が零した瞬間。


なぜかオレの頭に星がチラついた。