引きずるように足を庇うオレを見た天使様の顔がすぐにひきつり、苦いものになった。


「大丈夫だよ、ミカちゃん。挫いてるだけだから」


オレを支えるガブリエル様の言葉も天使様には届いていないらしく。


「ほんとに……大丈夫なんだな?」


と、オレに迫ってくる天使様の顔は蒼白で。

っていうかね。
どうも『死にかけた』あの一件から、天使様はオレの怪我や傷に対してすごーくナーバスでさ。


「戦闘中ってこと忘れちゃダメだって!!」


というガブリエル様の声を完全に無視してオレの肩をつかむもんだから。



「ほんとに手のかかる子なんだから!!」


なんて言ってオレを天使様のほうに放り投げたガブリエル様は、オレ達二人を庇うように前に立ち、矢を放つ。


「時間稼ぎしかできませんからね!!」


ちらりと天使様はガブリエル様を見るものの、意識は完全にオレに向いているようで。



「他に外傷はないのか?」



あの……そんな心配するくらいなら、オレを戦闘の場に立たせなければいいんじゃないっすかね?


と言いたくなるんだけどね。


この瞳見たら、それ、言えなくなった。