「返事は『はい』だろうが!!」


小声ではあったけれど。

目は座っていらっしゃる。



すみませんー。



「はい……」



オレとミカエル様は揃って壇上に上がる。


上がった瞬間、オレにはハートの矢を構えたキューピッドが何十体も見えた気がした。


いや、実際。



生徒の後ろにいる背後霊らしきおばさんとか、おばあちゃんとかまで色めきだっている。


天使様は生きていらっしゃる人だけじゃなく。
亡くなった方までもファンにしてしまう。


次元が違いすぎ!!


「こちらは今日から1カ月、我が百瀬学園に交換留学生としていらっしゃった『天林寺真理矢』さんと『ミッシェル=アルハンゲロス』さんです。『神学』にとても興味をお持ちのお二人なので、生徒の皆さんはぜひいろいろお二人に教えて差し上げてください」



って言ってますが。



この人『天使』です。


『神学』もなにも。


天使に宗教学を説くのは無謀じゃないっすかね?