詠唱の後、天使様の声が響く。


「主はおまえの言葉を待っている。目の前にいる遠山琴音の魂の救済を求めよ、テンシン!!」


ミカエル様が振り返ったその向こうに、星のように瞬く光が見える。


同じ方向を早田君も。
ワコちゃんも。
そして遠山先生も見つめた。


三人にも同じ光が見えているらしく、見つめる表情に驚きの色が見え隠れしていた。


あれが神の光なんですよ。


「我らが神よ。

その者の御魂を悪魔の呪縛より解放ください」


ミカエル様の向こうに瞬く光が大きくなり、それは一瞬で闇を飲みむ。


ミカエル様の姿も。
琴音さんの姿も。
早田君も、ワコちゃんも、遠山先生も。
もちろん、ガブリエル様や隼人の姿もその光の中に溶け込んで見えなくなる。



そして、オレ自身も溢れる虹色の光に包まれる。



来るぞ、来るぞ、来るぞ!!


快感のビックウェーブ!!



その波に乗りながら、ふと思う。



オレ、やっぱり欲求不満じゃないのかなって。