真剣に言った言葉に西成君は大笑いした。

「俺があんなヒステリーババアと? どうせ付き合うんならもっと優しいのがいいと思わない?」

ヒステリーババぁ。
確かによく怒る。
カルシウム足りてねーよなって思うくらい、よく怒る。

でもカワイイから許せるけど。


いや、彼女相当優しいと思うけど。


西成君は贅沢なんじゃないの?



「アイツを狙ってるの?」


直球すぎて心臓止まりかけた。


「い、いえ、ただ可愛いなあ、と」


狙っちゃいませんよ。
つーか、オレ、恋愛できないと思う。


天使様の目が怖すぎるし。


オレの答えを聞いた西成君。
ちょっとホッとした顔をした。


「そ? 憧れは憧れのままにしておきなね。アイツに手を出すと」


「手を出すと?」


「悪魔よりも怖い鬼に殺されるよ。」



つーか、なんっすか?
その『悪魔』よりも『怖い』『鬼』って。

誰かとり憑かれてんのかなぁ?


お祓いとかはまぢ勘弁よ。