「じゃ、テンシン君も論文のやり直しっ! カミサマなんていませんって。ね、一緒にやろ?」

強引にオレに鉛筆を握らせるワコちゃん。


「ね? 一行目は『カミサマはいません』でいいかなあ。どう思う?」


どう思うも何も……オレ、それは書けないっすよ。



「テンシンを解放してあげてくれませんかねえ」


助け舟キター!!
顔を上げたらそこには金髪名古屋巻きがいらっしゃる。

つーか、もしかして反論の機会をうかがっておりませんでしたかね?


「ダダをこねるもんではありませんよ、みっともない」


いつの間にか教室に戻ってきていた遠山先生がおっしゃった。


いや、まぢで助かりました。



「本当にいますから、神様」


そこはどうあっても譲れないらしい。

そりゃそうだ。

天使様だもんな。



「本当にいるの?」


遠山先生とクラスメートたちが好奇の目で天使様を見た。


つーか、天使様いつになく輝かしく生き生きしておいでです。


当然か。



神様のお話で天使様の右に出るような人間がいるわけがない。