やっぱりねー。
オレの手にしっかり握られたお鍋の蓋。
ドラ●エの初期装備じゃあるまいし。
ふと天使様を見る。
あー。
死ネと言っている。
目がオレに死ネと言っている。
でも、ほら。
鍋の蓋って言っても小鍋じゃなくて、大鍋の蓋だし。
つーか、あんたが『鍋の蓋』なんて余分な事を言わなかったら絶対にすげーカッコいい盾を想像出来たっつーの!!
あー。
ダメだ。
言い訳すればするほど、あの方の目がすわっていらっしゃる。
死ネと言っている。
オレに死んでこいって言っている。
「少年!!」
ウリエル様の声に反射的にオレはそれを向けた。
矢がお鍋の蓋に当たり、鈍い音を立てて砕け散る。
「結構強いじゃん、これ……」
見た目じゃないのさ~、武器も人も。
ねーって。
同意を求めるように天使様を見たら、思いっきりため息つかれました。



