「案ずるな」
向かってくる矢がオレの目を突き刺すその寸前で、それは止まり、どす黒い霧となって消え果てる。
見上げたオレの目は矢を握り潰した神々しい光を放った天使様を捉えていた。
「さぁ、ここからが見せ場だ」
ぶぁさりっっ!!
真珠色の翼を広げた天使様がオレとウリ様の前にまるで盾になるかのようにお立ちになった。
背中がカッコよすぎです。
なんつーか、その背中にかぶりつきたくなります。
待て待て待て待てーいっ、オレ!!
イエスノーマル。
アブノーマルは絶対禁止!!
そんなオレに天使様は一枚羽を抜き取って投げる。
矢のように飛んでくる羽を必死で掴むと「イメージしろ」と言った。
「は?」
「盾になるものをイメージしろ! 鍋の蓋とか連想したら殺す!!」
盾になるものね。
つーか、なんだよ鍋の蓋って。
オレ、そんなカッコ悪いもん想像しないっすよ。
盾だろ?
盾っつったらほら……あれ?
盾っつたらさぁ。
あれれ?



