「本番まで3週間なのっ!

今さら素人に一から発声練習をさせるなんて一人で十分よ。」

素人ねー。
この学校、聞くところによると小さい頃から音楽には力入れてるらしいんだよなー。
オレ、音楽なんてド素人。

カラオケは行くけどさ。
そんなん我流で歌うだけだし。

ま、才能はないな。
オレ、秀でた才能は霊感のみだし。

後はまぢで普通。
すごいよ。
成績表、オール3。
4とか2とかないの。
まして5も1もない。


『普通』
『可もなく不可もない』


なんか、それはそれで凹むんだけど。



「は? 誰か素人を使うの?」


隣でワコちゃんがおっしゃった。



へぇ。
素人いるんだなー。

仲良くなれそうだな。


「テンシン君。」





「…へ?????」



聞こえない。
聞こえない。

聞こえてほしくないー!!