蹄の音がする。

小さくて、あんまり役に立っていなそうに思える街灯。
そんな薄暗い細い道を誰かが必死に走っている。


何かから必死で逃げて。
誰かに必死に助けを求め。


その人の服は、なにかに切りつけられたみたいにボロボロで。
いくつも、いくつも傷ができ、血が全身を覆うみたいに滲んでる。



『助けてくれ!!』



はっきり聞こえる男の人の声。



助けたいさ、オレも。



『頼むから、早く!!』



でも、どうやって助けたらいいんだよ?



『アイツらが……』


アイツら?


男の人が振り返る。