悦子さんの家族は毎日二人からの電話をそれは楽しみに待っていました。もちろん私も同じです。いつも最後には
受話器を私の耳元に当ててもらいます。すると受話器から二人の声で「ラーラ、元気。ラーラ、待っててね。」と言ってくれるので、私もその度に嬉しく鳴いて答えました。
二人が旅行に出かけて三日目のお昼を過ぎた頃でした。私が悦子さんの家の玄関で横になっていると、いつもと違う時間に電話がありました。急いで外にいたお父さんに電話が来た事を鳴いて伝えました。
悦子さんのお父さんが急いで電話を取ると警察からでした。二人の乗った車がセンターラインをはみ出して来た車を避けようとして車が横転して悦子さんは命を落としたと言うのです。
裕次郎さんはというと頭から血を流し、悦子さんのかたわらで、うずくまり、泣き叫んでは、意味不明の言葉を発しているそうです。その場から動こうとせず手がつけられないとの連絡でした。
辛い思い出です。その時の悦子さんのお父さんは、いっとき、声も出ないほどでしたがすぐさま気丈に対応されました。さすがに電話を置くと床に腰を落とし両手で頭を抱え込まれました。
間もなく買い物から帰って来られた奥さんは、思いも寄らない出来事を聞くとその有り様は言葉に言い表せないほどで、しばらくすると、気を失い倒られてしまいました。私はとてもいたたまれなくなりました。
それでも悦子さんのお父さんは奥さんを寝床に寝かせると隣の人に看病を頼み、急いで車で行かれました。車中ではどのような事を思いながら行かれたのでしょう、私は裕次郎さんを案じながら無事に着かれるように心から念じました。
受話器を私の耳元に当ててもらいます。すると受話器から二人の声で「ラーラ、元気。ラーラ、待っててね。」と言ってくれるので、私もその度に嬉しく鳴いて答えました。
二人が旅行に出かけて三日目のお昼を過ぎた頃でした。私が悦子さんの家の玄関で横になっていると、いつもと違う時間に電話がありました。急いで外にいたお父さんに電話が来た事を鳴いて伝えました。
悦子さんのお父さんが急いで電話を取ると警察からでした。二人の乗った車がセンターラインをはみ出して来た車を避けようとして車が横転して悦子さんは命を落としたと言うのです。
裕次郎さんはというと頭から血を流し、悦子さんのかたわらで、うずくまり、泣き叫んでは、意味不明の言葉を発しているそうです。その場から動こうとせず手がつけられないとの連絡でした。
辛い思い出です。その時の悦子さんのお父さんは、いっとき、声も出ないほどでしたがすぐさま気丈に対応されました。さすがに電話を置くと床に腰を落とし両手で頭を抱え込まれました。
間もなく買い物から帰って来られた奥さんは、思いも寄らない出来事を聞くとその有り様は言葉に言い表せないほどで、しばらくすると、気を失い倒られてしまいました。私はとてもいたたまれなくなりました。
それでも悦子さんのお父さんは奥さんを寝床に寝かせると隣の人に看病を頼み、急いで車で行かれました。車中ではどのような事を思いながら行かれたのでしょう、私は裕次郎さんを案じながら無事に着かれるように心から念じました。

