そして悦子さんのお墓の前に来るといきなり、敷き詰めたジャリに正座しました。手を合わせ拝みました。「本当は帰って来たその日に直ぐに参りに行こうとしたけど、また、心がくじけるのが恐くて、明日、明日と思いつつ、つらくて今日まで来れなくて許してね」とそのような事を心から詫びるように私にも分かるような声で語り掛けました。後は涙が枯れるまで、時折、小さな声をあげては、いつまでもいつまでも悦子さんのお墓につぶやくように語り掛けていました。
やがて小鳥のさえずりが辺りから聞こえて来ると、裕次郎さんは「直ぐに帰って来るから待っててね」と悦子さんのお墓にささやくように言うと、お日様がほんの少し顔を出した、しらしらのなかを私達は大きな町の駅へと続く細い道をとぼとぼと向かって歩きました。
道すがら私がふと振り返ると、遠くから悦子さんのお父さんが私達を見つめていられたのを覚えています。
まだ人影のまばらな大きな町の駅に着くと、先ず私を乗せる許しをもらい、朝一番の列車で旅立つ事にしました。
しばらくすると悦子さんのお父さんが家族を乗せた車で駅に見送りに来られました。
お父さんは別れ際、「裕次郎さん、悦子はいい人に愛されて幸せだったよ。ありがとう、一日でも早く帰って来るんだよ」と声を詰まらせながら言いました。
裕次郎さんも「早いうちに帰りますから、お父さん心配しないで下さい。色々有り難う御座いました。これからも宜しくお願いします」と涙をこらえて言いました。
私もみんなの顔をこれでもかといっぱいなめてあげました。そしてお父さんは私に「ラーラ、裕次郎さんをたのむね」と言うので、私も二声三声大きく鳴いて答えました。
やがて小鳥のさえずりが辺りから聞こえて来ると、裕次郎さんは「直ぐに帰って来るから待っててね」と悦子さんのお墓にささやくように言うと、お日様がほんの少し顔を出した、しらしらのなかを私達は大きな町の駅へと続く細い道をとぼとぼと向かって歩きました。
道すがら私がふと振り返ると、遠くから悦子さんのお父さんが私達を見つめていられたのを覚えています。
まだ人影のまばらな大きな町の駅に着くと、先ず私を乗せる許しをもらい、朝一番の列車で旅立つ事にしました。
しばらくすると悦子さんのお父さんが家族を乗せた車で駅に見送りに来られました。
お父さんは別れ際、「裕次郎さん、悦子はいい人に愛されて幸せだったよ。ありがとう、一日でも早く帰って来るんだよ」と声を詰まらせながら言いました。
裕次郎さんも「早いうちに帰りますから、お父さん心配しないで下さい。色々有り難う御座いました。これからも宜しくお願いします」と涙をこらえて言いました。
私もみんなの顔をこれでもかといっぱいなめてあげました。そしてお父さんは私に「ラーラ、裕次郎さんをたのむね」と言うので、私も二声三声大きく鳴いて答えました。

