修二は、大山に呼び出しを受けた。

「修二よ、我、いったいどないなっとんのや、会社の儲け、ここんとこサッパリやなぁ」

「……はぁ、すんません…」

「このままやったら…どないして若い衆、養のうていくつもりや?皆、わしとこに泣きついて来よんのや、ええっ? 」

「すんません…今の景気で、不動産まったく動かん状態で、レンタルの方は…稲田組の若いもんが入ってきて、どうもこうも…金融は…回収手間取って…」

「こら我!修二よ、言い訳ばっかり抜かすな!」

大山が声を張り上げ、修二をびびらせる。

「お前、女にうつつ抜かしとったら、偉い目に合わすぞ!よ、修二よ、ちゃ~んと情報は耳に入っとんのや。兵隊10人、引き上げるからな!残ったもん、ちゃんとせえや!入れる銭、2カ月たまってる事、忘れてないわな? 」

「…わかってます、何とか……」

「何とか?売上の見通しも立たんお前に、何とか出来る訳ないやろ?ええか? 捨て猫拾うた、お前の親はわしや、親の恩義忘れたらあかんで」

「わかってます…」

「わかっとんやったら、何とかせぇや、お前を捨てた…もと親がおるやないか、かわいい息子が困っとんのや、何とかしてくれるやろ?」