カトレアのゆかた祭りも幕を閉じた。

月子も、あの人面タヌキ以来、一週間振りの出勤だった。

修二を横に連れ、店に顔を見せた月子に… 好奇の視線が降りかかる。

  何があったの?

  どうなってんの?

  ヒソヒソヒソ…


噂の花が風に揺れる。

皆、確信出来そうな事は幾つかあった。

修二は月子に一途、それも怖いくらいに……誰も入る隙間は無し。

温和だと誤魔化していた性格は外面だけ、内面は何するかわからない狂気的な暴力魔。

月子はかなり酷いサメ肌……。

美咲のセリフは案外、図星かも……。


そして…二人は出来た…出来ている…そんなの、もっと前から出来てるわよ、いいや、出来たのは、つい最近さ。

噂の花には、甘い蜜がいっぱい。

皆、皆、俺が、我が、私がと吸いにくる。

二人はもう肉体関係あると……仲のいい江梨子でさえ、ルミ子でさえも確信していた。