父親は孤児院育ちだった。

その為、父方に、この兄妹の親族は一切いなかった。

母親は、勘当状態で家を出た為、親、親族とは全く疎遠になっていた。

つまり、この兄妹には、頼る身寄りなど誰一人としていなかったのだ。

二人は固い固い絆で結ばれた兄妹。

二人の激しいトラウマは共通していた。


ヤクザが嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、大嫌い……。

もう死んでいるのに、ヤクザの父親が許せない。

母親に苦労かけるだけかけ、挙げ句の果てに、もう文句さえも言えなくなった今、どこに怒りをぶつけよう。

言うに言えない憤りの塊が…二人の闇と原動力をつくった。