ヤクザの所……修二さん……お兄ちゃん、もう大丈夫よ、大丈夫だってば……。

それだけはしないと自分に誓ったもん、それが…原田に対する私の罪ほろぼしだから……。

「お兄ちゃん、それだけはしないから、本当よ、私を信用して……」

「……出来るものなら信じたいよ」

「原田に買って貰った部屋、売りに出してね……そのお金、原田の奥さんに返そうと思ってるの。 店も後始末しなきゃいけないし、明日ぐらいから、外に出て動き出すわ」

「あぁ……龍子、お兄ちゃんを悲しませるような事だけは、もう勘弁してくれよ」

「分かってる…分かってるから」

兄は、龍子が不安で不安で仕方なかった。