月子は急いで鍵を閉め、下に降りた。

運転手が降りてきて、スーツケースをトランクに積んでくれた。

そして車内に乗り込む。

手順通りに上手くいった。

月子は、ほっと胸を撫で下ろした。

後は港に向かうだけ、恋しい恋しい修二さんが待ってる港に……。

その時だ、マンションの影から怪しげな男が…月子の乗り込む姿をじっと見ていた!

男は、タクシーが発車してから、直ぐ様、携帯を手にした。

その男とは……原田ではない、兄ではない、が、月子がよく知っている人物、ムーンライトのマネージャーだった。