月子がバスルームから出ると、原田はベッドの中だった。

いつもより、2時間も遅い帰宅、もしかして原田は眠ったかも。

どうか…眠りの中に居ますように…月子は神に祈る。

髪を乾かそうと思ったが止めた、ドライヤーの音で、原田が目覚めると困るもの。

タオルで丹念に水分拭き取り…静かに静かにそーっとね。

ゆっくりベッドに潜り込むと…原田が背を向けていた。

暑がりの原田…いつもパジャマを着ないで、ランニング型の下着のままで寝る。

肉の盛ったぶよぶよの肩と腕が見えた。

何だろ?この気持ち悪い思いは?

原田には、本当に今まで世話になった。

愛され、貢いで貰う事に、私はどっぷりと浸かっていた。

体はその代償であり、当たり前だと考え、愛してはいないものの、大した抵抗はなかった。

  でも今は違う。

原田のシミだらけ、ぶよぶよ、ざらざらの肌が……西瓜抱いたお腹が……地肌見える頭が……油分浮いた顔が…許せない。

この人の匂いが臭い、もう嫌…横にいるだけで身の毛がよだつ。

もう一緒には暮らせない。
と!眠ったと思っていた原田が寝返り打ち、顔をこちらに向けた。

原田の手が私の胸に……。