修二の部屋は綺麗に整頓されていた。

「いつも散らかってんだけどさ、もうすぐ、部屋開けるだろ?それで暫く帰って来れないから、特別綺麗にされてるって訳さ、月子、何か飲むか?」

と修二はキッチンへ。

「えぇ、ありがと。修二さん、いきなり出て来たから、私、店に電話するね。少しの間だけ黙ってて」

「了解~」


「もしもし月子です。店の外で知り合いに会ったのよ。ちょっと急用出来たから、そのまま外に出るけど、閉店したら、レジの鍵閉めて、皆、先に帰ってくれない?私はまた、後から店に戻ります」

修二が、赤ワインを持ってきた。

グラスに注ぐワインレッド…二人の心と同じ…赤く深く濃く…何年、熟成されてきた恋だろう…今、コルクが抜かれる。

「月子、何か事情があるんだね?」

修二を見詰める月子の瞳には、お星さまがキラキラ輝いていた。

「?月子…何かあれば言えよ、言ってくれ、俺に出来る事あれば…力になりたい、月子の……」

「修二さん、助けてくれない?」

「あぁ、言えよ」

「私の気持ち、この心を助けてほしいの」

「んんん?」

意味がわかんねぇ……。