何も嘘なんかついちゃいないわ。

だって聞かなかったじゃない?

その男の事、どう思ってんだ?って。

聞かないから言う必要もないと思った。

聞かれてたら答えたわ、惚れていた男、ずっと変わらず惚れてきた男、今でも惚れてる男、たぶんこれからも惚れ続けていくであろう男。


詰問では埒があかないと思った原田……が吐いたセリフ。

「月子、身体検査だ」

口で…指で…鼻で…検査と称し…月子の体を弄る。

砂漠化した蜜壺が…悲鳴をあげる。

蜜工場の工場長は誰よりも正直者。

嫌いな奴の注文には、決して動かない。


月子が検査から解放されたのは、原田が疲れきり眠りについた夜明け前の事だった。