修二は、コース料理と一緒に、部屋も予約していた。

が……月子を襲ってやろうなんか更々思っていない。

俺の背の観音さん…見て貰うだけさ……。

それからは後は、月子が決めればいい。

極道の俺を受け入れる気持ちなければ、そこで綺麗にあっさり諦める。

綺麗にあっさり?

そんな簡単に?

あぁ、無理にでもそうするさ。

取り敢えず、月子の気持ち確かめなければ……真実も話せない。

他愛ない話から始まり、コース料理食べ終えた時、修二が語り出した。

この物語の始めに戻る。

「ロシアに開発の仕事があって、引き受けようかどうか、今、迷っているんだ。行けば、暫く…は、何年かは帰って来れない。それと、つなぎ合わせて考えるのは筋違いかも知れない、が、どうしても、このままでは決断が出来ないんだよ。月子、君の事が引っ掛かり、先には進めない。 今日、今から、俺に賭けてくれないか? 朝まで一緒にいてほしい…これは俺の希望であって、決して無理強いではないから、選択は月子に任せるよ」

「……」

一期一会の終わりを月子は受け止めた。