月子の誕生日が近づいてきた。

この日は、どれだけのお客を呼べるか、いくら売り上げるか、届く花の数など……ホステス達の人気を計るバロメーター。

月子は、連絡出来る全ての客に伝えていた。

何人かは確定、当日の同伴も決定。

修二さん…電話してみようか……ううん、私からはやっぱりできないや…。

待たないで待ってくれと言われた、今は大変な時だって言ってた。

お互いの誕生日は伝え合っていたから、私の誕生日は知っている筈、そうか忘れてるかも知れない。

電話はしない…待たないで待つわ……。

その頃の修二は、生まれ変わったように、四苦八苦自らの足で、朝昼夜…仕事に精を出していた。

ビル物件の買い手がつき、一つ仕事に成功する。

仲介手数料、占めて500万弱…これで、大山にいくらか納めても、当座は凌げる。

明日は月子の誕生日だ。

突然行って、驚かしてやろうと、修二は考えた。