天使の恋模様


***

「…と、言うわけで。
ふつつか者ですが…宜しくお願いします。」

そう言って、床に正座すると、丁寧におじぎをしてみた。
深々と。
そうすると向かいに座っていた秋もつられてペコリ。

「あ、あぁ、こちらこそ…!」

…沈黙。
どちらも顔を上げない。あら、タイミング逃したわ。
なんだかすごく、顔を上げづらい…。
なんか、変に意地になってきた。

窓から差す朝日が、髪がどいてあらわになった私のうなじをじりじりと、焼く。
秋は汗をかいている。

はたから見ればなんと、おかしなことか…。