登り始めた朝日を背に、純白の翼を広げて、その天使は、いた。 しかし、天使らしくないのが、両手に大量の荷物を持っていること。 大きな鞄が、右手と、左手に一つずつ。 背中には、大きなリュックサック。 そして、ぜぇぜぇと、息が荒い事。 俺は、こいつを知っていた。 「…小羽…お前、何してんの?」 俺のクラスメイトであり、天使であり…俺の、なんか契約者らしい―。 桜 小羽だった。