天使の恋模様


場を移して、階段の踊り場。

「…転校生ちゃんと、秋君は…なんか、怪しいねっ!」
コクコクと頷く小凛。なんとも、すっかり探偵気取りの実月であった。


………


なごみは、首をかしげた。
なごみの目には、二人はそんな風には映らなかったのだから。
二人は、顔見知りらしいが…そんな風には…?
「あの二人は…別に、違うんじゃあ…?」

実月と小凛は漫画のごとく、ずさぁーっ!とこけてみせた。
「…た、タイミングバッチリね…?」

…あぁ、駄目だ…
この子、他人には気が回るくせに、自分に対しては…
ど、鈍感だっ!

二人の心理は見事に一致していた。