「お、またいたのかぁ」


『あ、先生っ』


咲矢先生は私たちが、しょっちゅう、ここにいることに気付いてくれたのか、よく顔を出してくれるようになった。


私が1人で階段にいることもあったので、そんな時は先生と2人で話すこともできた。


『先生〜、先生って何歳なんですか?』

「何歳でしょう〜?」

『相川先生が32歳だから咲矢先生はぁ〜、30歳っ!』

「あぁ、まだ誕生日きてないも〜ん」

『え、じゃあ29歳?』

「ま、今年で30なるけどな」

『へぇ〜、また1つ先生の秘密知っちゃった!』

「秘密な」

『はい、秘密です』


口の前に人差し指をたてて内緒ポーズをとる先生にキュンとしたりもした。