あの日から数日が過ぎ夏休みの大半は終わり、そろそろ新学期の準備を初めなくてはいけない頃に差しあたっていた。
新学期に必要な物を買いにと翔は家を出て町へと向かう。
「帰りに秘密基地にでも寄るかな。」
ふいに思いついて呟きながら駅のほうへと向かった。

「…ア…アリス?」
反対側の歩道をあるいているアリスを見つけて足をとめる。
もうあんなふうに毎週は会えないと思って始めて気づいた自分の気持ち。
いゃ、本当ははじめから惹かれていたんだと思うのに、気づかないフリをしていた想い。
それに気づいてしまっていた翔だった。
声をかけようとしても照れからかそれができずにいる間にアリスの姿はどこかへと消えてしまっていた。