「そう、難しい病気なのね。」
「なんかね、心臓の移植手術?とかすれば助かる可能性は高いみたいなんだけど再発の可能性もあるって。」
二人は屋上のベンチに腰掛けみたらし団子を食べながら言葉を交わした。
女性はアリスという名らしく、美月も自分の名を告げた。
美月はアリスに問われたわけでもなく自然と自殺の理由を口にしていた。
「臓器提供の相手が見つかるまでは投薬治療で苦しんで、もし運よく提供相手が見つかって手術が成功してもそこから今度は再発の可能性に悩んで苦しんで…そんな生活に耐えられる気がしなくって…。」
「それで自殺?」
美月は無言でうつむいた。
そんな美月にアリスは微笑んだ。
「可能性は0じゃない!諦めちゃダメよ!!」
「え?」
「0じゃないんだもん。それってすごく素敵な事よ!1%でも可能性があるなら絶対に諦めちゃダメ。」