たいむりみっとらぶ [中編]



「あは…でも、よかったかも。」


蓋を開けると、卵焼きに焼肉にご飯に…って、可愛げのないお弁当の中身。

こんなお弁当、大賀くんに見られなくて正解だよね。


こんなの女の子が作るお弁当じゃないでしょ!

って、笑えてくる。

あんまり、料理得意じゃないんだよね…。



「とりあえず食べよっかな…」



捨てるのは寂しいから、自分で食べることにした。


あーぁ。
料理得意じゃないけど…
卵焼きだけは自信あったのにな。


…もっともっと料理上手になって、自信を持って大賀くんに渡せるようになろう!

周りの女の子達にだって、胸張って自慢できるような…。



「そうだよね!前向きに…」


そう思うのに。



「なんで涙出てくるのぉ…?」



ぼやけてくる視界。
悔しくて無理やりご飯を頬張った。














「…あれ!?志摩ちゃん!?」





その声を聞いて、びくっと反応する体。

思わずお弁当を隠す。





「よかった〜!探してたんだよ♪
でもこんな所で一人で何して…」





と、言いかけて止まった大賀くんの声。