「あは…でも、よかったかも。」
蓋を開けると、卵焼きに焼肉にご飯に…って、可愛げのないお弁当の中身。
こんなお弁当、大賀くんに見られなくて正解だよね。
こんなの女の子が作るお弁当じゃないでしょ!
って、笑えてくる。
あんまり、料理得意じゃないんだよね…。
「とりあえず食べよっかな…」
捨てるのは寂しいから、自分で食べることにした。
あーぁ。
料理得意じゃないけど…
卵焼きだけは自信あったのにな。
…もっともっと料理上手になって、自信を持って大賀くんに渡せるようになろう!
周りの女の子達にだって、胸張って自慢できるような…。
「そうだよね!前向きに…」
そう思うのに。
「なんで涙出てくるのぉ…?」
ぼやけてくる視界。
悔しくて無理やりご飯を頬張った。
「…あれ!?志摩ちゃん!?」
その声を聞いて、びくっと反応する体。
思わずお弁当を隠す。
「よかった〜!探してたんだよ♪
でもこんな所で一人で何して…」
と、言いかけて止まった大賀くんの声。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)