まさか“あの人”が、あのヤリマンとつながったいたなんて…。何だよ、“あの人”はアイツらと同類ってこと?
あの日、酔っ払い男が叩き付けた卑猥な言葉の数々が健太の脳裏に甦る。
あのオヤジの言っていたこと、案外当たっていたのかもな。
ぶん殴ったりして、悪いことしちゃったかも…。
健太はあそこまでして“あの人”を助けたことが、急に悔やまれてきた。
これって、もう諦めろ、ってことなんだろうな。
そうだな、もういい加減ピリオドを打たなくちゃいくないんだな。
(それにしても、岡島はないよな…)
健太は目を瞑りながら、口元に皮肉な笑みを浮かべた。
なんでよりによって、あんなヤリマンなんかと…。
でも、ピリオドを打つには最高のキッカケだ。
どうやら俺と“あの人”とは、住んでいる世界が違うらしい…。

いつしか健太は、自分の前に誰かが立っているのを気配で感じた。
誰だろう、とは思ったが、目をあけて確かめる気にはならなかった。
それくらい、健太は疲れ果てていた。身も心も。
しかし、気配はなかなか消えない。そうなってくると、健太もさすがに気になってくる。(……?)
健太は薄目を開けて気配の主の姿を拝もうとして…。