もちろん、異性を想うのは今が初めてではない。
しかし、ここまではっきりと意識して異性を想うのは、今が初めてだった。
毎朝三苫駅からS学園に通っているということ以外、“あの人”については何も知らない。
こうして宮地岳線に乗ったからといって、“あの人”に再び逢えるかどうかもわからない。
でも。
「やってみなければわからない」
福間駅からJRに乗って、香椎の一つ先の千早(ちはや)駅から併走する宮地岳線に乗り換える。
貝塚まではわずか二駅。
駅を出た向こうに、健太がバイトをしているファミレスが見える。
ところが…。
「マジ…?」
来客用駐車場が満杯なの見て、健太の顔は引きつった。
ランチタイムを過ぎたこの時間帯は、いつもならとっくに客足も一段落しているはずなのに…。
健太の予感通り、ファミレスはやたら混んでいた。
今日に限って、ランチタイムから全く客足が途切れないのだと云う。
調理場でマニュアル通りに皿に盛り付けをしながら、健太はこの際限ない状態がいつまで続くのだろうと、恐怖感すら覚えた。
そして、店長からついに一時間の延長を言い渡された時には、立ち眩みがしそうになった。
しかし、ここまではっきりと意識して異性を想うのは、今が初めてだった。
毎朝三苫駅からS学園に通っているということ以外、“あの人”については何も知らない。
こうして宮地岳線に乗ったからといって、“あの人”に再び逢えるかどうかもわからない。
でも。
「やってみなければわからない」
福間駅からJRに乗って、香椎の一つ先の千早(ちはや)駅から併走する宮地岳線に乗り換える。
貝塚まではわずか二駅。
駅を出た向こうに、健太がバイトをしているファミレスが見える。
ところが…。
「マジ…?」
来客用駐車場が満杯なの見て、健太の顔は引きつった。
ランチタイムを過ぎたこの時間帯は、いつもならとっくに客足も一段落しているはずなのに…。
健太の予感通り、ファミレスはやたら混んでいた。
今日に限って、ランチタイムから全く客足が途切れないのだと云う。
調理場でマニュアル通りに皿に盛り付けをしながら、健太はこの際限ない状態がいつまで続くのだろうと、恐怖感すら覚えた。
そして、店長からついに一時間の延長を言い渡された時には、立ち眩みがしそうになった。



