西地区は東地区に比べて、
治安は悪い。喧嘩や窃盗は年中
起こっているようだ。
買い物途中、何度か絡まれそう
になったが皆、想に気付くと
すぐに止める。
「想!!」人混みの中で珍しく
想を呼び止める者がいた。
「お兄ちゃん?」何人かの
ボディーガードに囲まれた秦利
より1つか2つ上の男。
こうなると、想が大人っぽく
見える。彼は子供っぽいが、背の
高さがそれを打ち消していた。
「最近、帰ってこないから、
心配してるんだよ?」品の良い
お坊っちゃまな少年。
「うん、大丈夫。お兄ちゃんは?
どうなの?」想は言った。
しばらくして、彼は人混みの中
に消え、想は彼と話している間
一言も関西弁を話さなかった。
「俺のお兄ちゃん。一応、社長
候補なんや……」何故、想が
総二郎達と暮らすのか。秦利に
は分からなかった。
裕福である兄とは正反対の生活
を送る想。
「俺の家族は総兄達やから!」
想の言葉が切なげに響いたのは
何故だろう。秦利にはまだ、
分からなかった。
治安は悪い。喧嘩や窃盗は年中
起こっているようだ。
買い物途中、何度か絡まれそう
になったが皆、想に気付くと
すぐに止める。
「想!!」人混みの中で珍しく
想を呼び止める者がいた。
「お兄ちゃん?」何人かの
ボディーガードに囲まれた秦利
より1つか2つ上の男。
こうなると、想が大人っぽく
見える。彼は子供っぽいが、背の
高さがそれを打ち消していた。
「最近、帰ってこないから、
心配してるんだよ?」品の良い
お坊っちゃまな少年。
「うん、大丈夫。お兄ちゃんは?
どうなの?」想は言った。
しばらくして、彼は人混みの中
に消え、想は彼と話している間
一言も関西弁を話さなかった。
「俺のお兄ちゃん。一応、社長
候補なんや……」何故、想が
総二郎達と暮らすのか。秦利に
は分からなかった。
裕福である兄とは正反対の生活
を送る想。
「俺の家族は総兄達やから!」
想の言葉が切なげに響いたのは
何故だろう。秦利にはまだ、
分からなかった。


