小ミーティングの内容は、昨日の営業中の反省点やら、誰の遅刻が多いやら、誰の接客態度が悪いやらで、今日入った新人の俺には全く関係のないものだった。


馬鹿みたいに長い――無意味な時間。


いや、実際にはそれほど時間が経っているわけではない。


だけど、少しだって時間を無駄にしたくなかった俺は、早く終わってくれよ、なんて、心の中で悪態をついた。


一分でも一秒でも速く、客を掴みたい。


俺は他の従業員達とは違う。

立場が違う。

きっと誰よりも厳しい環境にいる。



日払い可能なこの職業を選んだ俺はまだ十九歳で、特別貧乏な家庭に育ったわけではなく、親父が経営しているキャバクラが黒字営業だから、むしろ裕福な方だった。