愛してほしい。~ホストのリアル~

「行かないで」と駄々をこねる理沙をどうにか宥め、本指名客の卓に行っていた流星さんが戻ってくると、俺は新たな新規の客の卓に移動した。



「美咲君、新人なんだ~? お酒強いの?」

煙草を片手に、グロスでヌラヌラと光る唇を動かす女は、二十代後半くらいのピン客だった。


「強いと思いますよ!」

「そうなんだ。じゃ、はいコレ。一気して」

女が笑顔で差し出してきたのは、氷をぶち込んだだけの、ピッチャーに注がれたロックの焼酎。


一瞬、軽い胸焼けを催した。


だけど、一人でも多くの客に気に入られたかった俺は、ヤケクソで一気に飲み干した。


「うわ、スゴ~イ! アタシ、美咲君に場内指名入れるわ!」