そう言った颯大さんはジッと太一を見た。 「湊!行くぞ!」 「え?太一…っ?」 私は太一がされるがままに腕を引かれ、家から出た。 「太一っ!遅くなんなよ!」 なんて、お兄ちゃんの声が聞こえたけど、太一は無視してグングン進んで行った。 「ちょ、太一?!どこまで行くのっ!!」 「……………」 「太一っ!!腕、痛いっ!!」 私は力いっぱいに太一の腕を振り払った。