−"かおなしさま。私は…"


おばあちゃん…。

ななちゃんはどうしてる?


−"私は、かなこさんを、…苦しめていただけなのでしょうか…"



おばあちゃん。

ななちゃんは、ちゃんと学校に行った?




−"農家の嫁はこうあるべき…なんて、私が昔、嫁時代に死ぬほど嫌だった言葉を、かなこさんに…

まさやが会社を立てる何て言い出したのも、古臭い私に反発したからかしら…。


私はただ、昔のようにずっと…

苦しい中にも笑いや涙があって、たくさんの家族がひしめいていた、昔のこの家が、ずっと続けばいい、と、願って……"



……おばあちゃん!

ひさのさん!



自分を責めないで。




わたしだって同じだよ。
ずうっと変わらなければいい、
ずうっと幸せならいい、



願い続けるだけの存在だよ!




…ひさのさんは、…
まさやくんも、かなこさんも、

願うだけじゃなく、

願いのために何かしてきたじゃないか!




−"私は…ななを…守らなければ。"


ひさのさん、
おばあちゃん。




どうしてヒトは

幸せになるために、何かができる手足と言葉を持っているのに、



その手足と言葉とで傷つけ合うんでしょう…?