あおはる



「…行かないで…っ!」

またあの夢を見た。

あたしは必死に追い掛けていた。
置いていかれるのが怖かった。
大事な人を失うのは、こんなにも残酷だ。

夢でさえ、鮮明に映し出される。


ここ半年、あたしは度々この夢を見る。
眠りにつくかつかないかの時、この夢を見ない事を願う。
しかし、願いとは裏腹にあたしは今でもこの夢にうなされている。


あたしには、忘れたくても
忘れられない人が居る。


人の背中が遠ざかる瞬間、あたしはいつも呼び止めたくなる。
その相手が例え、また逢える相手だと分かっていても怖くなる。

このまま逢えなくなるんじゃないかって。