「徳永?あいつ居そうな顔してないじゃん」
「あんた、今の会話聞いてなかったの!?」
「興味ないもーん」
私はとりあえず、自分の席に荷物を置いた。
「そういえば今、自習?」
「そう。ほら、インフルエンザ流行ってるじゃない?だから急遽、職員会議」
先生…大丈夫かな?
「それより!徳永の好きな人!」
「別にいいや。私、関係ないし~」
「相変わらず鈍感ねぇ。徳永の好きな人、麻美よ」
えっ?今、“麻美”って聞こえなかった?
何故か理斗ではなく、刹那、先生の顔がよぎった。
「ちなみに小林もね」
「意味わかんない」
ろくに喋ってくれなかったのに。
そんな事は絶対に、ありえるはずがない。

