「とりあえず教室入ろ」
何故か、口調が優しくてびっくりした。
後ろから軽く押された私は教室に入った。
余計、一部の女子がざわつく。
すると徳永が私の前に来た。
「とぉくながぁ!!」
ある男子が勢いよく席を立った。
どんどん私達の方へ近づいてくる。
席を立った人とは、
――小林瑛太<コバヤシ エイタ>
あまり喋った記憶が無いけど、芸能人と名前が同じだったから、覚えていた。
「小林、なんだよ?」
「おい徳永ぁ、お前わかってるだろうーが?」
数多くの男子からの声。
わかってる?何を?
チラっと私を見て、
「俺だって、お前と同じだから」
教室が静まり返った。
徳永の声って、すごくキレイな声。
よく通る声だって事、始めて知った。
「徳永、お前…」

