遅刻届けを出し、教室に入った途端、みんなの視線が黒板ではなく、私達に向けられた。
「おはよう…?」
「麻美ぃ!あんたが居なくて寂しかったわよー!」
「戸部おはよさーん」
「おはよう!!」
すごく嬉しかった。
みんな、いい人達だなぁ。
「あっ!徳永も居るし!!」
誰かがそう言った途端、教室がさらにざわつき始めた。
みんな自由に話している。
授業の先生も居ない。
多分自習なのだろう。
「なんで徳永、戸部と登校してんの?」
「お前調子にのるなよー!」
「あの二人って同じ家?」
「帰ってる方向一緒らしいよ」
「偶然すぎないよね」
「一緒にサボったのかな?」
男女の訳のわからない話しが痛いほど聞こえてくる。
多分、徳永はあぁ見えて、違う女子には優しい…らしい。
だからあの人の事が好きな女子が、嫉妬でもしているのかな。
本当、勘違いにもほどがあるよ。

