戸惑いプリンセス



自意識過剰だろうか。

後ろから付けられている気配がした。


ただの思い違いだと思いたくて、恐る恐る振り返った。

いや、正確には振り返ろうとした。

振り返る前に、腕を捕られたのだ。


捕られてから振り向くと、やはり先程目が合った男がいた。
男の隣には更に男がいる。

和紗は三人に囲まれている状況だった。


「何か用ですか?」


冷や汗が酷かったが出来るだけ平静を装って言う。
同時に振り解こうと腕を引くが、男相手にそれは叶わない。


「君、高校生だよね?一人?どうせ暇でしょ?ならこれから遊びに行かない?」


和紗の腕を掴んでいる男が勢いよくまくし立てる。

不快になる笑みを貼り付けながら、舌っ足らずに話しかけてくる。


和紗は嫌悪感と共に戦慄を覚えながら、身体が震えていないか心配だった。