飛翔の月


赤魏は懐に手を入れ、ある物を取り出した。

それは、朱雀領と都、そのほかの町などを繋ぐ関所を通るための通行手形。

盗賊ふぜいが持っているはずもない代物だ。

それを見た町人たちもさすがに驚き、

「そこまで言うなら…」

と、納得している。