ここは、飛翔之國の南方、朱雀領。

この地の領主は、齢60を迎えようとしていた。

そのため、そろそろ隠居し、家督を嫡男である赤魏に譲ろうとしたのであった。

しかし、当の赤魏(アカギ)は、未だに元服をすることすら拒んでいた。

「赤魏。赤魏はおるか。」

領主、赤通(アカツ)は、ついにしびれを切らし、明日にでも赤魏に元服させようと、準備を進めていたのであった。