西野くんの狙いが
この時分かっていたら…
考えてみても
可笑しな話だ。
何の取り柄もない私のことを
西野くんのような男の子が
声をかけてくるのは
どう考えても可笑しい。
どうして気がつかなかったん
だろう…
いや…
本当は心のどこかで
分かっていた
でも
分かりたくなかった…
いつまでも
夢を見ていたかった…
今思うと
悔しすぎて
涙が出るよ…
夢はいつかは覚める。
その時が
時一刻と迫っていることに
まだ気がつかない。
12時になると魔法が解ける
シンデレラのように…
12時はすぐそこまで
迫っている────。


