でも家が
帰るべき場所だ…
「ただいま…」
お母さんが走って
玄関にやってきた。
「美依亜…?」
私は泣きながら
お母さんに抱きついた。
「お母さっ…ん…」
お母さんは私の頭を優しく撫でた。
「ごめんね…。美依亜…
守ってあげられなくて…」
泣きながら首を横にふった。
お風呂に入った。
西野くんが触れた場所を
皮膚が赤くなるまでこすった。
それでもまだ
汚れてる気がした。
お風呂からあがってから
ご飯を食べた。
お父さんはまだ仕事から
帰ってきていないみたいだつた。
この状況を一番知られたくないのは
お父さんじゃなくて、
お兄ちゃんだ─────。


